更新日:2015年11月04日

削除してしまったファイルが復活!?

不要になったファイルは何気なくごみ箱に捨てたりします。一度ごみ箱に捨てたファイルでも、また必要になったらごみ箱から取り出して再利用することができますよね。でもごみ箱を空っぽにしてしまうと・・・もう元に戻すことができません。あっ!と思っても手遅れ。Windows のどこを探してみてもごみ箱からも削除してしまったファイルは見つかりません。

でも実はごみ箱からも削除してしまったファイルでも復元することが可能なんです。それがファイル復元ソフトを使った方法。ファイル復元ソフトを使うと、パソコンの中をいくら検索しても見つからないファイルを見つけ出すことができるんです。困ったときに役立つありがたいソフトです。
Trashbox

■ファイルを復元する仕組み


でもどうやってファイルを復元することができるんでしょうか?

ファイルを復元する方法とは、削除してしまったファイルを作り直している、というわけではありません。実はファイルの削除、というのは Windows 上からファイルを見えなくしているだけで、内部的にファイルの実態が存在しているんです。ファイルへのリンク(つながり)がなくなっているだけです。

これはインターネットと似ているところもあります。一般にウェブサイトはリンクをクリックして辿れるページしか見ることができません。どこからもリンクされていないページはURLがわからないため、アクセスすることができません。

でも、リンクがなくてもページが存在すれば、そのページを見ることができます。トップページからのリンクがなくても、お気に入りに追加していていればページが見ることができたりします。実態となるページ(ファイル)があれば、リンクを辿らなくても直接URLを入力して見ることができるわけです。

「ファイル復元ソフト」とは、リンクがなくても本体のファイルのありかを探してくれる・・・インターネットで言えばURLを探してくれるソフトということになります。


■ファイル復元のポイント

ファイルを一度削除する(ごみ箱を空っぽにする)ということは、Windows のシステム的にはそのファイルが使っていた領域(スペース)が自由に使われるということになります。なので、いつそのファイルのあった場所に、何か別のものが保存されるかわかりません。ファイルの実態のある場所に、別のファイルが保存されてしまうと、ファイルを復元することができなくなってしまうのです。

つまり、ファイルを復元したい場合は、「できるだけ早くファイル復元ソフトによりファイルを復元する」ということが大切になってきます。


■上書き保存すると、ファイルが復元できない

テキストファイル、ドキュメント、表計算、画像、音楽、動画・・・どのようなファイル形式であっても、上書き保存をしてしまうと、ファイルを復活させることは極めて困難になります。上書き保存とは、同じ場所にもう一回保存するという仕組みなので、同じ場所には新しいファイルが残り、古いファイルはなくなってしまいます。

復元できることもあるらしいですが、大事なファイルなら「名前をつけて保存」を利用して、「ファイル名_yymmdd(日付)」のような形で保存しておくのがよいでしょう。

ex)報告書_071028.doc、運動会_071010.wma


■ファイルを復元させる手順

うっかりごみ箱からもファイルを消してしまった・・・そんなときはあせらず、ファイル復元ソフトを使ってファイルの復元に挑戦してみましょう。

ファイル復元のポイントでも述べたとおり、何かのファイルでファイルのあった領域を使われてしまうと、ファイルの復元が難しくなってしまいます。そこでファイル復元の手順として、次のような流れが理想です。

1. 別のマシンでファイル復元ソフトをダウンロードし、USBメモリーや外付けHDD(ハードディスクドライブ)などの外部メディアにソフトをインストールします。

2. 復元させたいマシンに外部メディアを接続し、ファイルを復元させます。

この方法であれば、極力ファイルを復元させたいマシンにダウンロードやインストールなどに伴う上書きを発生させないため、ファイルの復元率が高まります。

さらに高い確率で復元させたいのなら、ファイル復元を行うまで、なるべくインターネットの閲覧、メールの送受信、音楽や動画の再生、テキスト文書や種々のファイルを開いたり、編集したりしないことも賢明な方法です。何かのファイルを開いたりするだけで、自動的にバックアップを取ったり、キャッシュを保存したりとテンポラリファイル(一時ファイル)が次々と作成・保存されていきます。パソコンを使えば使うほど、知らないうちに上書きの可能性が高まっていくのです。重要なファイルであれば、慎重にやってもやり過ぎるということはないはずです。



■あとがき

このように削除したファイルは復元することが可能です。しかし、100%復元が可能なわけではありません。残念ながらファイルの復元に失敗してしまうこともあります。もし失敗してしまったら、悲しいですがあきらめるしかありません。

同じ失敗をしないように大事なファイルはしっかりバックアップを取り、保存するときも「名前をつけて保存」するなどの工夫を心がけていきましょう。


cf)完全削除とは
ファイル復元ソフトがあるということは、逆に言うと、コンピュータから削除したはずのファイルを第三者に復元されてしまう可能性があるということです。社外秘ファイルや誰にも見られたくないようなファイルを復元できないようにデータ完全削除ソフトを使えば、ファイルをコンピュータから完全に消去することができます。

完全削除の仕組みはファイルの上書きです。元々ファイルがあった場所に何の関係もないランダムな数字を上書きしたり、真っ白で巨大な画像ファイルなどを上書きすることで、元々のファイルを壊してしまうわけです。

この方法を使えば、ファイル復元ソフトを使っても、その場所に何かファイルがあったと認識できず、ファイルを復元される心配もなくなります。


cf)ショートカットキー
不要になったファイルはマウスカーソルのドラッグ&ドロップでゴミ箱に入れて消すことができます。ドラッグ&ドロップで [Shift] キーを押しながら左クリックを離すとごみ箱に入れずに削除することができます。

また、ファイルをゴミ箱に入れるためのショートカットキーは [Delete] キーです。[Shift] キーを押しながら [Delete] キーを押すとごみ箱に入れずに削除することができます。

右クリックでも削除を選択するとゴミ箱に捨てることができ、[Shift] キーを押しながら削除をクリックするとごみ箱に入れずに削除が可能です。


cf)実際にファイル復元を行った事例

厚生労働省の村木厚子元局長に無罪判決が出た郵便料金不正事件(2010年9月10日判決)で、大阪地検特捜部の主任検事による証拠品改ざん疑惑が明らかになりました。その事件に絡んで、大阪地検特捜部の前特捜部長が改ざんの経緯についてまとめさせた上申書のデータを、捜査を進める最高検が主任検事のパソコンから復元させていたことが分かりました。

データファイルの復元が、実際に公的機関によっても利用されているという事例です。


cf)戦場カメラマンの事例

政治が不安定な地域や戦場などでは、撮影した写真データを軍隊によって没収されてしまうことがあるそうです。しかし、わざとメモリーカード内のデータを削除して何も撮影していないと見せかけ、帰国後データを復元させる手法をとることがあるそうです。

「ファイルを復元させる」という裏ワザのように思えることも、いまや常識的なテクニックになってきたと言えるかもしれません。


cf)野球賭博の事例

2015年10月公表されたプロ野球選手による賭博に関する問題で、関与したとされる選手のスマートフォン端末を提出させました。メールやLINEなどのやり取りはすべて削除済みだったそうですが、すべて復元して証拠をつかみ、本人も賭博への関与を認めざるを得なくなったようです。

スマートフォン端末などの外部メディアであっても、データの復元は可能であり、本事件を解決するために利用されたように、データ復元はもはや一般的な技術へと浸透していることがわかります。
 

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