複数のファイルからリカバリ・ファイルを作成し、ファイルの一部が破損したり消失したりしても、残されたファイルとリカバリ・ファイルを使って修復・復元できるソフトです。
あらかじめリカバリ・ファイルを作っておき、ファイルの破損や消失に備える点がファイル復元ソフトとは異なる点となります。
データの完全な安全性を考えるのであればデータを丸ごとバックアップすることになりますが、代わりにデータ容量が必要になります。
本ソフトが採用している Parchive(パリティアーカイブボリュームセット)技術であれば、データ容量を抑えつつ修復用のリカバリ・ファイルの容量(50%以上の低減も可能)に抑えられます。
※ エラー訂正技術を使った Parchive は、冗長性の範囲内の破損・消失であればファイルを修復・復元できるものです。破損した部分を、破損していない部分とリカバリ・ファイルで計算して戻します。
MultiPar の使い方
ダウンロード と インストール
- GitHub へアクセスし、「MultiPar1334_setup.exe」リンクをクリックしてダウンロードします。
※ USB メモリー等で持ち運べるポータブル版を利用する場合は、「MultiPar1333.zip」リンクをクリックしてダウンロードします。- ダウンロードしたセットアップファイル(MultiPar1334_setup.exe)からインストールします。
使い方
基本的な使い方
本ソフトを起動するとメイン画面が表示されます。
リカバリ・ファイルを作成する
ソース・ファイル
保護したいファイル(リカバリ・ファイルを作成したいファイル)を次のいずれかの手順で「ソース・ファイル」として追加します。
- ファイルをドラッグ&ドロップする
- 「追加する」ボタンをクリックしてファイルを選択する
- 「追加する」ボタン上のリストボックス上の右クリックメニューから「追加する」をクリックする
※ ファイルを追加するとファイルサイズとブロック数が計算されます。
※ 「ファイル分割」にチェックを入れると、リカバリ・ファイル作成の際にソース・ファイルが制限サイズ以下に分割され、リカバリ・ファイルと同じ場所に保存されます。
ブロックの割り当て
ブロックの数、またはブロック・サイズの数字を編集して調整できます。
※ デフォルトでは自動で割り当て設定されます。- 「ブロックの数」右のスライドバーを動かしてブロックの数を調整することも可能です。
- ブロックの数が大きくなるとブロック・サイズは小さくなります。
- ブロックが多いほどリカバリ・ファイルの作成に時間がかかります。
リカバリ・ファイル
- 基準ファイル名
リカバリ・ファイル名のベースとなる名前。 - 保存先
リカバリ・ファイルの保存先。 - 「コメント」ボタン
任意のコメント入力が可能。 - 冗長性
修復時に復元できる割合。
※ 例えば 500MB のソース・ファイルに対して冗長性が 10% であれば、50MB までの破損や消失を修復できます。
※ 冗長性に 0% を指定した場合はインデックス・ファイルだけが作成されます。 - 「空き領域に収める」ボタンと容量
CD や DVD などのメディアにソース・ファイルとリカバリ・ファイルを収納したい場合に、「容量」のプルダウンからメディアを選択するか書き込み可能な容量を直接入力します。 - リカバリ・ブロックの数
リカバリ・ブロックの数を直接入力して指定できます。 - サイズ指定方式とリカバリ・ファイルの数
リカバリ・ファイルの大きさを指定します。
選択した方法によって次のようにブロック数が- 同じ大きさにする … 84, 84, 83, ... のような形
- 異なる大きさにする … 8, 16, 32, 64, ... のような形
- 2の乗数で大きくしていく … 1, 2, 4, 8, 16, 32, 64, 128, 256, ... と増加
- 貨幣単位で大きくしていく … 1, 1, 2, 5, 10, 10, 20, 50, 100, ... と増加
- 効率
リカバリ・ファイルの大きさに対してどのくらいデータを復元できるのかを表します。
※ 例えば 200MB のリカバリ・ファイルの効率が 95% の場合、データを 190MB まで復元することができます。 - 失われても完全に作り直すことができるファイルの数 (最少 - 最多)
リカバリ・ファイルの修復能力の参考値。
試作する
「試作する」ボタンをクリックして作成時の情報を確認できます。
- ファイル名とファイルサイズ
作成されるリカバリ・ファイルとそのファイルサイズ。 - ソース・ブロックの利用率
ソース・ブロックの割り当てが適切かどうかの指標。90% 以下の場合はブロック・サイズを小さくして 90% 以上になるようにすることが推奨されています。 - リカバリ・ブロックの占有率
リカバリ・ファイルにおけるリカバリ・データの占有率です。 - リカバリ・ファイルの効率
ファイルの復元率です。
例えば 87.3% と表示されていれば、87.3%まで修復できるという一つの目安です。
「試作する」ボタンをクリックするとプレビュー表示される
作成する
「作成する」ボタンをクリックしてリカバリ・ファイルを作成できます。リカバリ・ファイルの作成
「検査する」ボタンをクリックすると、どのファイルが破損、欠落しているのかを調べてリカバリ・データがあれば修復を行います。
※ 作成直後に破損、欠落していることは通常ありません。
「作り直す」ボタンをクリックすると、ソース・ファイル以外を変更できます。
リカバリ・ファイルから修復する
本ソフトを起動し、メイン画面左下の「開く」ボタンをクリックしてリカバリ・ファイル(xxx.par2)を開くと検査を実施します。
修復が必要な状態の場合、「修復する」ボタンをクリックして修復できます。
更新履歴
Version 1.3.3.4 beta
(2024/11/30)- インストーラーの更新
- インストール時に韓国語が利用可能になります。
- GUI の更新
- 新しい
- 韓国語 UI DLL が含まれています。
- MultiPar.ini ファイルに par2j のオプションを追加することができます。
- 変化
- Vector の著者ページのリンクは削除されました。GitHub の MultiPar ページを使用してください。
- 新しい
Version 1.3.3.3 beta
(2024/06/15)- インストーラーのアップデート
- Inno Setup が v6.2.2 から v6.3.1 に更新されました。
- PAR2 クライアントのアップデート
- バグ修正
- OpenCL デバイスが多数ある場合の GPU アクセラレーションのバグを修正しました。
- 数値拡張子を持つソースファイルの分割の失敗が修正されました。
- 重複データを含むファイル内の最後のブロックの予測誤りが修正されました。
- バグ修正
Version 1.3.3.2 beta
(2024/01/10)- PAR2 クライアントのアップデート
- 改善
- GPU アクセラレーションは AMD グラフィック ボードで適切に機能します。
- 改善
フィードバック
- Issues - GitHub
https://github.com/Yutaka-Sawada/MultiPar/issues - メールアドレス
※ ソフトのヘルプページにてご確認ください。
※ 本ソフトは ななみす 様 のご推薦により掲載させていただきました。(掲載日:2023年04月26日)